イーサリアムライトクライアントHeliosが登場 信頼不要のオンチェーンアクセスを提供

近日、新しいイーサリアムライトクライアントHeliosが登場しました。このクライアントはRust言語で開発されており、ユーザーに完全に信頼不要のイーサリアムアクセスを提供することを目的としています。

Heliosは、イーサリアムがPoSに移行した後に実現したライトクライアントプロトコルで、中央集権的RPCプロバイダーからのデータをローカルで検証可能な安全なRPCに変換できます。中央集権的RPCの使用と組み合わせることで、Heliosはフルノードを実行することなくデータの真実性を検証できます。

このライトクライアントは約2秒で同期を完了し、追加のストレージスペースを必要とせず、ユーザーはスマートフォンやブラウザプラグインを含む任意のデバイスから安全にオンチェーンデータにアクセスできます。これは利便性と分散化の両立が難しいという課題を解決することが期待されています。

現在のイーサリアムエコシステムでは、ユーザーはしばしば中央集権型RPCサービスプロバイダーを介してオンチェーンデータにアクセスしていますが、これには潜在的なリスクがあります。悪意のあるRPCプロバイダーは、スマートコントラクトの提示データを改ざんし、ユーザーに低い最小出力パラメーターを設定させることで、新たなサンドイッチ攻撃を実施する可能性があります。

この問題に対処するために、Heliosは実行層とコンセンサス層の二つの部分で構成されています。コンセンサス層は同期委員会メカニズムを利用し、弱い主観性のチェックポイントを通じて最新のブロックに迅速に同期します。実行層は検証済みのビットコインブロックヘッダーと信頼されていないRPCを組み合わせて、検証可能な実行層データを提供します。

Heliosの導入により、より多くのユーザーが信頼を必要とせずにイーサリアムにアクセスすることが可能になりました。開発者はこれをウォレットなどのアプリケーションに組み込むことができ、エコシステム全体の安全性を向上させ、中央集権的インフラへの依存を減らすことが期待されています。

未来、HeliosはP2Pネットワークから直接データを取得するサポート、より多くのRPCメソッドの展開、WebAssemblyバージョンのコンパイルなど、さまざまな面で改善される可能性があります。これにより、コミュニティの貢献者に広範な参加の機会が提供されます。