ETH、4000ドルに到達するか──アナリストらはクジラの購入と調整リスクを天秤に：テクニカル分析 | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）

• CryptoQuantのデータによると、クジラがイーサリアムを過去最高のペースで買い集めている。
• シャープリンク・ゲーミング（SharpLink Gaming）は先週、約8万ETHを購入し、総保有数を36万807枚に増加させた。
• アナリストらは、イーサリアムが2週間連続でビットコインを上回るパフォーマンスを示したことを受け、過熱した状況に警鐘を鳴らしている。

イーサリアム（ETH）の4000ドルに向けた複数週にわたる上昇は抵抗に直面し、3%以上下落して3696ドル付近まで下落した。

強気派は上昇トレンドが維持されていると自信を示しているが、機関投資家が蓄積を加速させるなか、最近の価格動向はテクニカルな脆弱性を露呈している。

イーサリアムの揺り戻しは、2週間の強い上昇に続くもので、アナリストの間で「この上昇が広範な調整なしに継続できるか」という議論が深まる中で発生した。テクニカル指標は、赤信号を点滅し始めている。

Xベースの暗号資産（仮想通貨）分析アカウント「Front Runners」は、イーサリアムがビットコイン（BTC）を14日連続でアウトパフォームしていると指摘し、この傾向を「保ち合いなしでは持続不可能」と表現した。また、「RSIが過熱状態にある」と指摘し、市場心理が陶酔状態に傾いていると示唆した。

暗号資産投資ファンド、MNファンド（MN Fund）の創業者兼CIOのミシェル・ファン・デ・ポッペ（Michaël van de Poppe）氏も同様に注意を喚起。イーサリアムが3650ドル前後まで下落したことを指摘し、「激しい調整」の可能性を警告した。

暗号資産に特化した投資教育コンテンツを提供するCrypto Area Globalの創業者Andrew Crypto氏も同様の見解を示し、イーサリアムは「異常な強さ」を見せているものの、重要な抵抗レベルで拒絶された後、調整は健全であり、またその可能性も高いと主張した。

それでも、一部のアナリストは依然として強気の見方を維持している。投資家のCrypto Rand氏は7月8日、「ETHの4000ドルまでの上昇はプログラムされている。意外と早い時期に起こるだろう」と予測し、上昇の勢いに早い段階から自信を示していた。

オンチェーンデータも、この見通しを裏付けているかもしれない。暗号資産ユーチューバーのCrypto Rover氏が7月22日に引用したCryptoQuantのデータによると、クジラ（大口保有者）の購入活動は過去最高水準に達している。

この傾向は、イーサリアム保有量で最大級の上場企業の一つであるシャープリング・ゲーミングの最新の購入データによっても浮き彫りになっている。

シャープリンクは22日のプレスリリースで、7月20日に終了した週に7万9949ETHを購入したと発表し、これは6月にイーサリアム財務戦略を開始して以来、最高の週次記録である。

シャープリンクは現在、36万807ETHを保有しており、さらに購入するために使える9600万ドル（約140億円、1ドル＝147円換算）以上の資金があるとしている。

イーサリアムの価格は、マクロ経済の不確実性にもかかわらず、個人投資家や機関投資家の確信の高まりも一因となり、おおむね堅調に推移している。

しかし、「調整の見られないチャートは健全なチャートではない」と主張するAndrew Crypto氏をはじめとして、一部のアナリストらは、次の価格上昇にはリセットが必要になるかもしれないと述べている。

CoinDesk Dataによると、イーサリアムは当記事執筆時点で、3696ドルで取引されており、過去24時間では3.44%下落している。