ステーブルコインは銀行を置き換えるために作られたが、自ら銀行になろうとしている

出典：CryptoNewsNet
元タイトル：ステーブルコインは銀行を置き換えるために作られたが、銀行になりつつある
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ビットコインが誕生してから15年が経過しました。業界はほぼ[image]兆ドル規模のエコシステムに膨れ上がりましたが、サトシの毎日の決済というビジョンはいまだ大きく未達成のままです。ピアツーピア決済への希望はステーブルコインに移りました。しかし、銀行を置き換えるどころか、ステーブルコインは銀行のようなインフラになるリスクを抱えています。米国や欧州のより厳しい規制は、ステーブルコインをオープンなマネーではなく、中央集権的なレールへと押しやる可能性があります。

規制がステーブルコインを規制された決済ネットワークへと変える

アメリカでは、GENIUS法がステーブルコインによる決済のための連邦フレームワークを確立しました——誰が発行できるのか、どのように裏付けるのか、どのように規制されるのかが定められています。ヨーロッパでは、MiCA規制（暗号資産市場規制）が2024年に適用され、「電子マネートークン」や「資産参照トークン」などのカテゴリーでステーブルコインに厳しい要件を課しています。

これらの規制は正当性と安全性を促進しますが、同時にステーブルコイン発行者を銀行の世界へと追いやります。発行者が準備金、監査、KYC、償還要件に準拠しなければならない場合、ステーブルコインの構造と本質は変化します。ピアツーピアマネーではなく、中央集権的なゲートウェイとなるのです。企業によるステーブルコイン利用の60％以上が消費者決済ではなく、クロスボーダー決済です。ステーブルコインは個人のためのトークンから、より機関向けのツールになりつつあります。

危険：中央集権的な決済インフラになること

中央集権的な決済インフラになるとはどういうことでしょうか？それは、効率的でありながら不透明、中央集権的でありながら不可欠な、機関向けの主要なレールへと進化することです。従来の決済システムは、機関間のメッセージングを可能にすることでグローバル金融を変革しましたが、金融アクセスの民主化は実現しませんでした。もしステーブルコインがその進化をなぞるなら、既存プレイヤーのためにより高速なレールを提供するだけで、アンバンクト層を力づけることはありません。

暗号の約束は、プログラム可能なマネー——論理と自律性、ユーザーのコントロールを持つキャッシュ——でした。しかし、トランザクションに発行者の許可、コンプライアンスタグ付け、監視されたアドレスが必要になると、アーキテクチャは変わります。ネットワークはマネーではなく、コンプライアンス重視のインフラになるのです。その微妙でありながら深い変化は、ステーブルコインをより急進的ではなく、より反動的なものにしてしまうかもしれません。

準拠性を組み込んだオープンなレールへのより良い道

課題は規制ではなく、設計です。規制要求を守りつつステーブルコインの約束を守るためには、開発者や政策立案者がプロトコル層でコンプライアンスを組み込み、法域をまたいだコンポーザビリティを維持し、非カストディアルなアクセスを確保すべきです。クロスチェーン決済の標準化は、オープン性を犠牲にせずに実現可能です。

ステーブルコインは、機関だけでなく個人のために機能しなくてはなりません。大口プレイヤーと規制されたフローだけにサービスを提供するなら、破壊的にはなれず、従属的になるだけです。設計は真のピアツーピアの移動、選択的なプライバシー、相互運用性を許容するものでなければなりません。そうでなければ、レールは私たちを古いヒエラルキーに、ただ速く閉じ込めるだけです。

ステーブルコインには、マネーを書き換える可能性がまだ残されています。しかし、もしそれらが銀行のために作られたインスティテューショナルなレールになってしまえば、私たちは一つの中央集権的なシステムを別の中央集権的なもので置き換えただけになります。問題は規制するかどうかではなく——ステーブルコインは規制されます——包摂と自律性のために設計するのか、それとも昨日のシステムをデジタルなラッパーの裏に固定してしまうのか、ということです。マネーの未来は、私たちがどちらの道を選ぶかにかかっています。